物流業界が「3K」を払拭するための取り組みとは
- 2019/4/15
- 物流業界について
物流業界というとどんなイメージでしょうか。何か大きくて重い荷物を、大型トラックを使って長距離輸送しているというようなイメージを持っている人が多いかもしれません。
肉体労働の典型のようなもので、3K職場の代表だと思う人も多いでしょう。3Kとは、きつい、汚い、危険の頭文字を取ったもので、それこそ数十年以上も前からある用語です。物流業界は今は深刻な人手不足に悩まされています。3K職場というイメージが定着してしまうとなかなか人が集まらず、それこそ致命的になってしまうかもしれません。イメージ改革は何としても果たさなければならないのです。
きつい、汚い、危険の3つのうち、汚いについては既に意外と当てはまらない場合も多いのですが、一方でいわゆるデスクワーク、オフィスワーカーと同じくらいに綺麗で清潔な環境で仕事ができるかというとやはりそうでもないでしょう。物流倉庫は埃っぽいかもしれません。しかし、そのような環境を別にすれば、取り扱う荷物そのものは別に汚いものではないでしょう。むしろしっかりと梱包されている限りは別に汚いものではないという見方もできます。
トラックなどでの輸送も物流の重要な要素ですが、これも別に車内が汚いとは思えません。自分で綺麗に車内を保てばそれで済むだけの話です。ただ、数多くのトラックが行き交うような高速道路、渋滞した都心の道路に関しては、例えば排気ガスその他によってお世辞にも綺麗な空気とは呼べないかもしれません。窓を閉め切って空調を掛ければ外気の汚れは気にならないでしょうが、一方で燃費もかさむことになります。このあたりはどちらを取るかの問題でしょう。最近では排気ガスの規制も厳しくなってきていますからさほど気にはならないという人もいるでしょうし、そもそもオフィスワーカーであっても営業などで車を運転することはあるでしょうし、それこそごく普通の生活をしていても幹線道路沿いに住んでいれば話は同じことで、特別に物流業界だけが大気汚染に悩まされているはずはありません。
汚いに関してはこのように既にイメージ改革はなされているかもしれませんが、それに比べるときつい、危険に関してはそうでもないかもしれません。危険というのはともかくとしても、重い荷物、大きな荷物を運ばなければならないシーンが多いのはどうみてもきついには違いないというわけです。これは、物を運ぶという物流を仕事にしている以上、完全に無くすことは不可能かもしれません。物を運ぶのがきついのであれば物流などできないというわけです。
ですが、プロのスポーツ選手でもなければ簡単ではないようなきつい作業に関しては、やはりある程度改善のための取り組みをしていく必要があるでしょう。ごく普通の大人であれば、誰でもさほどきついと思わずにできるくらいの肉体労働であることが理想だと言えばその通りです。このためにはやはり文明の利器というか、機械や道具、あるいは技術などに頼るのが良いでしょう。倉庫内での物流のためには人手に頼って運ぶ部分を最小限にし、リフトや台車などを最大限に活用できることが重要で、これは既に取り入れられているところも多いでしょう。
最新の技術が取り入れられるシーンも増えつつあります。どうしても人の手で持ち上げて運ばなければならないシーンもあるでしょうが、そういうときにコルセットのように身体に装着し、人間の筋肉の力の一部を肩代わりしてくれるような器具も既に登場しています。あるいはロボットのような機器で自動的に荷物を運ぶようなことも既にある程度は実用化されています。このような最新の機器や技術を活用することで、物流業界の3Kのイメージ改革をすることができるでしょう。