倉庫中二階・簡易中二階とは?
倉庫中二階とは、倉庫内に鉄骨などを用いて荷物を置くことができ、人が歩くことができる大きな棚を作ることです。
大きな棚を作ることにより空間を有効活用することができます。
倉庫そのものは、その種類にもよりますが大規模倉庫では天井高が4メートル以上のものがほとんどです。
通常は荷物を積み上げて保管することになりますが、積み上げてしまうと下層部だけ取り出すといったことができませんから多種のものを一箇所に保管するというのには不向きです。
このためひとつの場所には1種類のものしか保管しないのが一般的です。一種類のものを保管する倉庫であれば、この方法が効率が良いのですが、
そうではなくさまざまな種類のものを保管するのには効率が悪くなります。このような問題を解決するために棚を作って対応しているところも多くありますが、
棚を作ると上段にある荷物を取り出すためにはハシゴを持ってくるなどの工夫が必要になります。特に多品種を保管する場合にはこれらの方法は効率的ではないため、
中二階と呼ばれる人が移動できる棚を設置したものです。つまり倉庫の中にもう一階分だけのスペースを作るものです。
倉庫中二階は正式な名称はありませんが、積載ラックや積層ラック、積層棚などのほか、立体架台やプレーンラック、パレットステージなどと呼ばれています。
また用途に応じて作りも頑丈なものから軽量なものまでさまざまです。倉庫中二階のメリットとしては床面積が2倍になることであり、倉庫スペースの有効活用ができます。
倉庫中二階の活用方法としては、スペースの有効活用であり小さな荷物や種類が多い場合にあっても倉庫の空間を最大限に活用することが可能です。
特に小ロットの部品保管といった場合にはメリットは大きいものです。一方で注意しなければならないことは、消防法および建築基準法でありこれらに適したものである必要があります。
倉庫内に二階部分を作るという性質上、消防設備は法律に則って設置する必要があります。消防設備としては自動火災報知機や消化器の設置、
視認障害による避難誘導灯やマークの増設などです。特に中二階部分にさらに棚を設置すればそれだけ、視認性が悪くなるため火災が発生した場合のリスクは高くなりますから、
初期消火の重要性は通常の倉庫以上に気をつけなければなりません。一方で中二階は棚であるといった考え方で作られてきた経緯があり、棚には耐震性を求めることはほとんどなく地震のさいに倒壊するリスクがあります。
近年は頻発する地震などからその意識も変わり、一定の耐震性があるものが作られるようになっていますが、それでも導入するさいには気をつけるポイントです。
倉庫中二階を新たに導入するのであれば、設置業者にその目的を伝えて耐久性の見合うものを作ることが大切です。基本的に中二階には重量物を置くべきではなく、
その場合には補強されたものを選ぶことが必要です。使い勝手に関しても階段のほかリフトの設置なども考慮しなければなりません。法令を遵守した業者であれば、
施工図面をもとに建築指導課や消防署への設置確認を行い、問題がなければ施工を行います。なお、倉庫中二階が出来るまでの時間に関しては、
モジュール化された部品を組み立てるのが一般的な方法となっており確認作業に1ヶ月程度は必要ですが、リフトなど特殊な装置を設置することを除けば工期そのものは数日で完了します。
なお、倉庫中二階を導入する場合には倉庫の天井高は最低でも5メートル以上あることが条件です。
またフォークリフトが使える環境であるか、資材の搬入が容易な開口部があるかといった条件があります。
これらの条件を満たしていない場合には、倉庫中二階を設置しても使い勝手が悪くなります。
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