自動倉庫システムとは?
機械の部品や食品、薬品などを保管する倉庫では、従来のやり方では人が荷物を運び入れ、管理して出庫をするというやり方をしてきました。
その一連の作業をコンピューターで制御して行うのが自動倉庫システムです。
自動倉庫システムにすることのメリットは、まず人の手を使わないで済むということです。重い荷物を出し入れするのは重労働ですし、
扱う品物によっては冷凍倉庫であったり万が一に漏れたら危険な代物だったりします。そういった過酷な労働環境に人を置く
必要がなくなれば大幅にリスクを軽減できますし、人件費の節約にもつながるのです。
人が管理しているときには、なんらかのミスが起きるかもしれません。荷物を落としてしまったり数え間違いをしたりして損失を被る可能性もあります。
食品のように賞味期限、消費期限がある品物の場合、古いものを先に出さなければいけないわけですが、それがうまく出来なかったりします。
その点コンピューターであれば最初から最後までコンピューターが管理することになりますから、ミスもなく効率的に運用ができます。
人の手を使わないことで、スペースの節約も可能です。フォークリフトで入出庫を行っていると、そのために広い通路が必要になります。
通路に取られるスペースが多くなれば、その分倉庫に入る荷物の量が減ってしまいます。でも狭いところも高いところもすべて機械で入出庫ができるようになれば、
通路は極力少なくする事ができ荷物を置く棚を増やせます。より多くのものを保管する事ができれば、それだけ利益を増やすこともできるので大きなメリットです。
一方で、自動倉庫システムの導入には大きなハードルもあります。倉庫に機械を取り付けるためには、かなりの初期費用がかかります。
体力のある会社でなければそのような投資はできません。それに定期メンテナンスや機械が壊れたときにはどのように対応をするのか、
位置ごとに最適な荷物を決めたり時期によって変動するニーズにも柔軟に対応する事が必要です。それらの費用や手間が、メリットとして挙げたものに釣り合うと判断できたときに導入できるものです。
荷物を運ぶための機械「スタッカクレーン」にはいくつか種類があります。荷物を載せる際に人も一緒に運ぶことができるかで、
人が乗れるものを人荷昇降式クレーンと荷昇降式クレーンで区別する事ができます。さらに荷と荷台の重量を合わせたつり上げ荷重がどのくらいかによって、細かく区別されます。
人を乗せることができるか、つり上げ荷重がどのくらいなのかというのは、ただどのような荷物を扱えるかということだけに関係しているものではありません。
設置に関して報告をするか届け出をするのか、検査は誰が行うの運転資格は必要なのかというように法律の問題も出てきます。
自動倉庫の種類を見ていくと、こちらもいろいろと種類があります。建物と棚が一体化している場合にはラックビル式と呼びます。
すべてを一体化させて建造することで効率的に管理しやすくなり、コストの削減にも繋がります。
建物と棚が別の構造になっている場合には、扱える荷物の大きさによってケース用、パレット用があります。ケース用は多くの荷物を保管・入出庫する場合に向いており、
コンテナやカートンなどの容れ物に入った荷物を扱うときに使われます。パレット用は荷物を載せるパレットごとに保管するときに使われます。高い位置の棚に保管するときに向いています。
物流で極力人を減らそうという動きは加速しており、荷物の保管だけでなく配送も自動化できないかという試みもあります。
それは少子高齢化にも伴う労働力の不足が見込まれることも理由の一つです。そのため自動倉庫システムは今後更に普及していくと予想されます。
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